No. 08
数字スパンの測定方法と精度 — このテストのルールと限界
標準的な数字スパン課題はどう実施されるのか、このサイトは何が同じで何が違うのか、端末や環境が結果に与える影響を率直にまとめました。
数字スパンテストは単純に見えますが、提示の速さ・方法・中止のルールによって点数が変わります。このサイトがどのように測っているのか、結果を解釈するときに知っておくべき限界をまとめました。
標準的な課題の進め方
知能検査や神経心理検査で使われる数唱課題では、一般に検査者が1秒に1桁の速さで数字を読み上げます。各長さに2回の試行があり、同じ長さの2試行を両方とも間違えると中止します。決められた数字の列と採点方法、年齢別の基準がセットで標準化されています。
このサイトのルール
- 開始桁数(標準は3桁)から始めます。
- 正解すると1桁増えます。
- 間違えると、同じ長さの新しい数字の列でもう1回挑戦します。
- 同じ長さで2回間違えると終了し、一度でも正解できた最長の桁数が点数になります。
- 最大24桁まで続き、すべて正解するとそこで終了します。
標準課題と違うのは、各長さで1回目の試行に正解すると、2回目の試行をせずにすぐ次の長さへ進む点です。時間を短くする代わりに点数の計算方法が変わるため、標準検査の粗点と同じ尺度ではありません。
数字の列の作り方
- 0〜9の数字をランダムに選びますが、同じ数字を続けては使いません。
- 10桁以下では、一つの列の中で同じ数字を繰り返しません。
- 1-2-3、8-7-6のように1ずつ上下する3桁の連続は作りません。簡単すぎるまとまりを防ぐためです。
提示方法
| 方法 | 提示 | 性格 |
|---|---|---|
| --- | --- | --- |
| 一括表示 | 数字の列全体を桁数 × 設定時間だけ表示 | 目で見渡してまとめやすく、最も甘い条件 |
| 1桁ずつ | 設定した間隔ごとに1桁(間隔の75%のあいだ点灯) | 標準課題に近い系列の記憶 |
| 聞き取り | 音声合成で設定した間隔ごとに1桁ずつ読み上げ | 標準課題と同じ聴覚提示、音声の品質の影響を受ける |
提示されているあいだは入力を受け付けず、数字が消えてから入力できます。提示中にほかのタブに移ると、その提示は無効になり、新しい数字の列でやり直します。入力には時間制限がないため、入力の速さや画面のリフレッシュレートは点数に影響しません。
精度に影響するもの
- 音声合成:ブラウザと OS の音声を使うため、端末ごとに発音の速さや明瞭さが違います。最初の音声が遅れて出る端末もあり、間隔の短い設定(0.5秒)ではリズムが乱れることがあります。
- 画面:一括表示では、長い数字の列は画面の幅に合わせて文字が小さくなります。小さな画面では、横向きにするか大きな画面を使うと有利です。
- 環境と体調:騒音、疲れ、緊張は点数を下げます。ワーキングメモリに影響する要因を参考にしてください。
- 練習効果:何回も続けると点数が上がりやすくなります。記録を比べるときは、同じ設定、似た環境で測りましょう。
この結果でできないこと
このサイトは、パーセンタイル、年齢と比べた点数、「IQ換算」のような比較を表示しません。そうした比較には、標準化された手順と標本から作られた基準が必要で、このツールの条件はそれとは異なります。結果は楽しみとセルフチェックのためのものであり、知能検査や医学的な診断の代わりにはなりません。
参考:Wechsler, D. (2008) WAIS-IV Administration and Scoring Manual, Pearson · Jacobs (1887) Mind 12:75–79